昨年、夫の会社が民事再生法を申請しました。
普通に暮らしている人間にとって「民事再生」って言葉は寝耳に水で全くピンとこないのではないかと思います。私もそうでした。
ですから、とりあえずWEBで民事再生法について調べてみました。
民事再生法とは倒産法の1つです。
「再生」と言う言葉にまどわされがちですが、会社の状態としては借金を返せなくて倒産したのと同じ状態です。
債権者は少しでも多く債権を回収しなければならず、その会社が潰れてしまっては丸損になるところを「一部、借金をチャラにしてあげて、なんとかして立てなおして少しでも借金を回収しよう」という制度が民事再生法なのです。
民事再生法は比較的体力が残っている会社、ようするに「立て直す可能性の残っている会社」にしか適応されません。
……と書いてみましたが、これはあくまでも債権者と経営者側のメリットです。
従業員的なメリットとしては、とりあえず会社は存続するので即日働く場所がないという事態が避けられることだと思います。
そして、ものすごく上手くいけば会社が立ち直るかも知れないと言う希望も。
ですが、現実問題として民事再生法は申請したものの「やっぱり無理でした」と、その後本当に駄目になってしまう会社も少なくないのが現実です。

民事再生法は会社を救うのための法律です
民事再生法は会社を救うための法律です。
そこで働く社員にメリットなんて無いと覚悟しておいてください。
民事再生法では建前上、社員の待遇について保障されていますが、民事再生法で経営者が変わった場合、従業員が雇用される保障はどこにもありません。
一応、法律では従業員は法律通りのお給料が支払われますし、社内規定に退職金が保障されているのなら退職金だって支払われる…とされています。
ただし、退職金は最低額だと覚悟しておいてください。

夫の会社の場合は「事業譲渡」と言う形だったので、社員は一旦全員解雇となり、その後譲渡先の会社に再就職という形が取られました。
文面だけ読むと「それは良かったですね」ってことろですが、蓋を開けてみると、引き続き雇用された社員は一部に過ぎず、大量の解雇者が発生しました。
書面上は「新しい会社の採用試験を受けて不採用通知が届いた」という形になりますが、民事再生を申請した会社の解雇日に不採用通知が届けられたので、実質、即日解雇も同然でした。
民事再生を申請した会社は完全に倒産した訳ではなく、一部の社員の雇用が保障されたのですから「良かった」と言わけければならないのでしょうが、当事者の妻の目からみると「民事再生法は企業のための法律であって、従業員は奴隷と一緒なんだな」と感じました。
会社が駄目になるその日まで一生懸命働いたとしても、紙切れ1枚で「明日から来なくて良い」と言い渡されるのです。
最良の方法を模索する
しかし残念な事に従業員がどれだけ騒いだところで何もなりません。
不当解雇ではないので、労働基準監督署に駆け込んだところでどうにもならないのです。結局のところ自分の身は自分で守るしかなく、最善の道を開くために全力を尽くすしかありません。
まず、するべき事は自らの雇用の確保です。
会社に残るのか、それとも残れるのか。それとも転職した方が良いのか。
どの道が最善なのかは人によって違っているかと思うので、そのためには、情報収集からはじめる事をオススメします。民
事再生に遭遇した体験について色々書かせて戴きましたので参考にして戴けると幸いです。
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