前回の更新『民事再生した会社に残った人の1年後(41歳。SE)』で民事再生した会社に残った夫の後輩の話を書きましたが、今回はその後輩の話の続きです。
夫自身の体験ではありませんが、転職活動の参考になればと思います。


民事再生からの事業譲渡。残っても地獄。
夫の後輩(41歳)は夫と同じくSEなのですが、転籍先の会社ですっかり自信を無くしていたようでした。
どうやら事業者先の会社は転籍した人間にとって居心地の良い職場ではなかったようです。
吸収合併された訳ですから完全にアウェイで味方のいない状態です。
夫の後輩は心身共に病んでしまい、通院して薬を飲みながら働くことに。
夫も久しぶりに会う後輩の変わりように「1年前はあんなんじゃなかった」とショックを受けたようでした。
使えるSEと言う評価
夫の話だと後輩は「けっこう出来る方のSE」だそうです。
私は門外漢で分からないのですが、SEにも「使える奴」と「使えない奴」がいて、夫の評価だと「身贔屓抜きにしても使える奴だからアイツが本気で転職活動したら41歳でもどこか決まるんじゃないかな」とのことでした。
夫からすると彼が事業譲渡先に残り続けた事自体が謎だったとのこと。しかし、こればかりは人それぞれ考え方が違いますから何とも言い難いところです。


どうしても年収を上げたい
夫の後輩は転籍先での年収に納得がいかないようでした。
そこで転職活動を開始。夫が評価した通り、いくつか内定は出たようです。しかし年収的な部分で彼が納得出来る条件を出してくる会社には行き当たらず、いくつか出た内定は全て辞退。
夫が転職活動をしていた時は結局、現在働いている会社しか内定が出ませんでしたから、ある意味上出来とも言える結果なのですが、後輩はマンションのローンが重いとのことで年収だけは譲れないようでした。
まさかの職種変更?
そして驚くことに後輩は「いっそ職種変えようかと思っています」との考えているのだとか。
SEでは思っているような年収を得られないため、営業にチャレンジしてみるつもりだと打ち明けてくれたそうです。
彼はどちらかと言うと根っからの職人気質で「営業は無理だと思う……」と夫。恐らく彼自身も薄々は分かっているのだと思うのですが「職種を変えるしかない」と思うところまで追い詰められていたのでした。


うつ病発症からの休職
夫は後輩の事が気になりながらも、新しい会社でやっていく事に必死で後輩とは疎遠になっていました。しかし今年、彼から届いた年賀状に驚きのメッセージが書いてありました。
「やっと社会復帰出来そうです」
何も知らず驚いた夫は彼に電話で連絡を取りました。
なんと彼はうつ病を患って長期間休職していたそうなのです。「そろそろ復帰したいのですが」と話していたようですが、夫は「復帰したそうだったけど、どうかな…」と心配していました。
自分を大切にしてくれる会社を選んでください
夫の後輩は夫より若く仕事の出来る人でした。なので別の道があったのではないかと思うだけに、休職するところまで追い込まれてしまった事は残念でなりません。
「じゃあ、彼はどうすれば良かったのか?」
そう聞かれたとしても正解はありません。ただ、申し上げたいのは「自分を大切にしてくれる会社を選んでください」と言う事です。会社は社員を守ってはくれません。自分の身を守る事が出来るのは自分だけです。
「どこの会社だって同じだろ?」
そう思われる方がいるのも分かります。しかし「よりマシな会社」「Aよりも待遇が良いB」を選ぶ事は出来るはずです。
特に夫の同僚の場合は転職のチャンスがあったのに残留の道を選んでしまいました。もし転職を選んでいれば違った道が開けていたかも知れません。
転職活動をしていると迷う場面が出て来るかと思いますが、くれぐれも「自分をより大切にしてくれる会社」を選んで戴きたいと思います。
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