いきなり面白くない話題で恐縮ですが「夫の給料が一向に上がらない」とお嘆きの妻は多いのではないでしょうか?
- うちの夫はまったく出世する気配がない
- 40代なのに課長どころか係長にもなれない
- そもそも給料が低過ぎる…
主婦の方の話を聞いていると、上のようなことを口にする方がたくさんおられます。
アベノミクスの影響でここ数年の賃金は、上昇傾向にあると言われています。
しかし、実際は現在40代の男性はその恩恵をほとんど受けていないと言うデータがあります。
インターネット上に溢れている記事を読んでいると、日本には1000万円以上稼ぐ人がゴロゴロいるように錯覚してしまいがちですが、厚生労働省が発表したデータによると、一般的なサラリーマンで年収1000万円以上稼ぐ人なんて、ほとんどいません。
40代で課長になれない現実
多くの方がご存知の通り、企業という組織の中では役職が付くか付かないかで賃金が大きく変わってきます。
「じゃあ出世して役付になればいいんじゃない?」って話ですが、人事コンサルタントの城繁幸氏は「今のサラリーマンの7割は課長になれません」と指摘しておられます。
城繁幸ってこんな人
東京大学法学部を卒業後、1997年に富士通に入社。富士通では人事部に勤務し、成果主義を導入した新人事制度導入直後から運営に携わった。
2004年に退社し、富士通が行った成果主義の問題点や日本型成果主義の矛盾点を自著で主張している。
Wikipediaより引用
現在、多くの企業では賃金を押さえるための制作として役職を減らしていく傾向にあります。
そんな中、昔風の年功序列制のまま役職に居座り続ける管理職がいる限り、下の世代の人達が「課長にさえなれない」と言う事になってしまうのです。
年齢別の平均賃金
年齢 賃金 対前年増減比 30~34歳 321.1万円 -0.1% 35~39歳 373.9万円 0.9% 40~44歳 426.4万円 -0.1% 45~49歳 486.1万円 -0.1% 50~54歳 535.1万円 0.3% 厚生労働省HPより参照
上の表は平成30年に厚生労働省が出したデータを表にまとめたものです。
これを見ると40歳~49歳の世代だけ賃金が厳しい状況が分かりますよね。
役職別の賃金格差
役職 年齢 賃金 対前年増減比 非役職者20~24歳=100 部長級 52.6歳 659.8万円 0.7% 304.3 課長級 48.5歳 536.8万円 2.0% 247.6 係長級 44.9歳 401.0万円 -0.2% 185.0 非役職者 20~24歳 216.8万円 0.90% 100.0 厚生労働省HPを参照
ここで注目して戴きたい事は2つあります。
- 役職者と非役職者ではかなりの賃金格差がある
- 役職者の平均年齢の高さ
課長職の平均年齢が48.5歳。40代で課長になるのがどれだけ困難かが分かります。
バブルを知る世代・知らない世代でかなりの格差が……
バブルを知る世代だと「30代で係長、40代で課長」と言う感覚の方もおられるようですが、今の現状では「40代でも課長になれない」のが当たり前になりつつあります。
婚活女性は年収500~600万円以上の男性を希望すると言われていますが、50代にならないと平均年齢が500万円を越えないのが、今の日本の現状です。
そして役職が付かない限り給料が上がらないという現実が重くのしかかってきます。
まとめ
「うちの夫、40代なのに課長もなれないし給料も安い」と思っている妻のみなさん。
また「それなりに仕事が出来るつもりなのに課長にもなれないし安月給でやってられない」と感じておられるサラリーマンのみなさん。
「課長になれない=ボンクラ」ではありません!
転職するにしてもしないにしても40代の場合「課長級の年収」を狙うのは相当困難です。
もちろん年収はお住まいの地域や職種や業界によっても大きく変化します。
それぞれの状況によって、いちがいに「こうですよ」と言い切れない部分はありますが、昔のままの感覚で年収を考えたり、転職活動に挑んではご自身も家族も苦しいだけです。
是非とも、データを頼りに、ご自身の置かれた状況を理解しながら生活して戴きたいと思います。
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